うちは旧い風習がまだ少なからず残っております
その中でも、菖蒲(しょうぶ)を飾る風習は
わりと一般にも知られているかと思います
旧暦での5月5日は端午の節句
その前の日の晩には軒に蓬(よもぎ)と菖蒲(しょうぶ)を飾ります
私の両親は、ともに健在ですので
こういった節目の行事の日取りはお任せしてしまっています
具体的にいつだったかというのはちょっとあいまいで
毎年言われてから気づく有様です・・・
年中行事の中でも、正月の注連縄飾りなどは
購入して済ませるようになってしまいました
(祖父が健在だった頃は自家製でした)
しかしながら、菖蒲とヨモギを買って済ませる、というのは
まだちょっと抵抗があります
幸い、うちの田んぼの周辺には沼地があり
そこには菖蒲が自生しております
今年は私が採取する役を仰せつかりました
(このようにして伝統は受け継がれていくのです、・・・たぶん)
田んぼのあぜ道から斜面を下って
湿地の縁に足を止め
ぎっしりと生えている水棲植物を眺めます
菖蒲の見分け方は、独特の匂い
菖蒲と思われる葉を一本引き抜き
匂いを確かめてみる・・・・。
匂い無し。。。
どうやら違ったみたい
花のつぼみが付いていることから
たぶんアヤメでしょう(^^;)
(注:「しょうぶ」と「あやめ」
どちらも漢字では「菖蒲」と書きます、こまったものですね)
しばらくあたりを探してみたのですが・・・
収穫無し、困りました
おとーちゃん、菖蒲が無いっスよ。
昨年までの担当だった父に相談すると
探し方を教えてくれました
(伝統はこうして受け継がれていくんです、きっと)
鎌で葦やそのほかの草を掻き分けて
刈り進めると、ようやく小さな菖蒲が見えてきました
う~ん、小さいし少ない。。
聞くところによると、年々減ってきているとのこと
ちょうどそこに、お隣の家のおばあちゃんが
やはり菖蒲を取りにやって来ていました
お隣の場所にはまだ少し残っていて
遠慮なく持っていきんしゃい、とのご好意
一本手につかんで引っこ抜くと
たちまち周りに拡がる強い芳香!
ん~! これだこれ
ありがたく頂戴して家に持ち帰りました
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子どもに頃に聞いた
菖蒲と鬼の昔話
家の軒先に飾っているときに
父と話したのですが
話の細部が私の知っているものと
だいぶ違うなあという印象
共通しているのは
鬼から逃げるときに
菖蒲の藪の中に逃げ込んだところ
剣のような菖蒲に身体を切り裂かれて
鬼が退散するということ