貼り付けた笑顔

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さくさくさく・・・と
りんごのへたの部分を削りだして
りんごの本体へ差し込む
より一層りんごらしくなります

みっつよっつと、
でき上がったばかりのりんごが並ぶと
しあわせを感じてしまいます

でも完成してしまうと
お嫁に出してしまわなければなりません
目の前に並ぶ姿は、ほんのいっときだけ

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普段から一人で仕事をしているので
刺激に乏しい毎日です

ラジオをつけなければ
情報さえも入ってきません
気分転換と、頭脳の未使用領域の活性化を兼ねて
休憩時間はもっぱら読書の時間です

図鑑だったり、小説だったり

平日、午後3時頃
読んでいた小説の主人公は学生時代を回想していました
この人もおんなじ様な苦労をしているんです

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今日は、たまには仕事のことを書こうと思ったのですが
6月特有の気持ちの不安定さと
読んでいた文章の中の人物の姿と
そんなものが相まって
まあ、避けて通れないお話
書かずにいたら私という人物を
過大評価してしまう恐れもあります

先日、書きかけのまま放置していた話題をひとつ
『人見知りさんの考察』

先天的なひともいれば、後天的なこともあるでしょう
私の場合は、先天的な素質と後天的な環境でしょうか

小学校の頃は、周りといっしょに何不自由なく暮らしておりました
中学に上がり、人数の激増と環境の激変についていけず
灰被りの時期を経験しました

そうして醸成されていった人格形成の過程において
まず身に付けたことは
目立たないように
目立たないように
ひたすら目立たないように

集団の中でいかに埋没して生きて行くか
積極的に関わらなければ
不必要に傷つくことも無い
正しさはいらない
話しかけるに足るメリットさえ持たなければ
干渉されることも無い

必要最低限のことだけ
こなしていればそれで十分

その頃の私は
いつでもどこでも
「話しかけるなオーラ」を放出していました

高校に上がるときには
すでに気持ちは労働者へと向いていました
親の勧めでいい加減に受けた試験に合格してしまい
嫌々通う学校には楽しみなど微塵もありませんでした

学校というのは、特殊な空間で
この特殊さは、職場や組織
そういったところでも時々目にします

おかしなことに
人の集団というのは
「いいひと」だけでは維持できないのです
必ず打楽器的な立ち位置の人が必要になってしまうのです
いわゆる、頼もしいリーダーよりも
共通の敵、が必要とされてしまうのです

残念ながらわたしの経験の中に「いいひと」だけで
維持できているコミュニティはありませんでした

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灰被り暦が長くなってくると
たまに、良い人に出会ったときの
対応に困ります

・・・相手の笑顔の裏を読んでしまう
・・・・交渉に打算が付いて回る
・・・・・いつでも心が晴れやかでない

灰被りの後遺症は、時々こうして顔を出します

ココロの水遣りは自分でしかできません
自分で気がつくしかないのです

現在では、当時を客観的に見ることもできます
なるほど、
当時思っていたのとは違い、
誰とも関わらない一匹狼は
意外と目立つという事実に(笑)

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会話に積極的な人を観察してみます

実際のところ、
それほどたいした話題を振っている訳でもありません
話し方などは若干幼稚さも見られるほど
それでも相手は楽しそう

ふむん、
これくらいなら自分でもできそう

知的な話題
流行の話題
ユーモアに富んだ話題

それらはあくまで副次的なもの
自分の発した言葉によって
相手からどう見られるか

人見知りの人は
要は、考えすぎているだけなのでしょうけれど
それでも気にしてしまうのは
どうしようもないこと
だって今までそうしてこなかったから

経験の絶対的な不足は
時間をかけて解決するしかありません

社会人になって
みんなそれぞれ責任を負って
だから以前のように
無下に相手を否定したり
傷つけたりすることは無いでしょう

歳を重ねるごとに
いろんな皮を被っていることを自覚します
でもそれは、決して望んで被っているものばかりではないはず
そうしないと生きてこられなかったから

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狼は、もともと集団で生活する生き物なので
一匹狼でいるとそのうち分離不安で衰弱死してしまうそうな
かっこ良さげな響きとは裏腹に、なんだか気の毒な感じさえします

人見知りさんは
きっと人一倍、気遣い屋さん
相手に迷惑かけたくないから
自分が我慢して済むならそれで良い

たまには、迷惑をかけてみよう
そしてかけられてみよう
相手もきっとおんなじ

たまに出てくる
人の善意を食い物にする輩は
いずれ集団から淘汰されるから

「お互いさま」の気持ちをわすれずに
作り笑顔の裏には、きっと
いろんなつらいことや悲しいことが
一杯詰まっている

明日はきっと笑えますように・・・

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