空を飛ぶ技術①

さて、小話の第一回は
やはり飛行機ネタから始めたいと思います

一般の人にもわかりやすいと思いますし(←本当か?)(^^;)

ところで、このカテゴリのタイトルになっている
Ornithopter(オーニソプター)」って何?
という方もいらっしゃると思いますので
念のために説明しますと

飛行機の中でも、翼を羽ばたかせることによって
空を飛ぶ方式の飛行機のことです
「羽ばたき機」と呼んだりします

先にも少し触れましたが
実はこの方法は
ものすごく効率が悪いのです
ごく小型の模型飛行機(全長30cmくらい)なら飛ばすことができているのですが
人が乗って飛べるほどの大きさのものとなると
飛行記録は皆無で
先ごろ、北米の学生達が作った試作機が人を乗せて
ようやく「数秒」浮いた、というのが最高記録らしいです

鳥の羽ばたきをつぶさに観察すると分かりますが
羽ばたき運動は、とても複雑で、
まず、下向きに翼を振り下ろすと
身体を上向きに押し上げる力が生じます
次に、振り下ろした翼を上に振り戻さなければならないのですが、
このときに、なるべく空気を「受けないように」振り戻さなければならないのです

つまり、単に翼を団扇のようにばたばたと扇ぐだけでは
浮いた身体を即座に押し下げる力が働いてしまい
絶対に飛ぶことはできません

意外なようですが、
鳥にとって、羽ばたきはとても重労働のため
体の大きな鳥ほど、羽ばたきではなく滑空を利用して飛んでいるのです

このとても複雑で重労働な羽ばたきをこなす
飛行機の翼というのが設計の最も難しい部分です

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さて、皆さんご存知かと思いますが
かの「ライト兄弟」の偉業によって
人類は本格的な動力飛行の始まりを迎えたわけですが
実は、彼らよりずっと以前から空を飛んでいた人がいます

Portrait of Otto Lilienthal
↑オットー・リリエンタールさん

動力を持たない、いわゆる「グライダー」での
滑空による記録です
もっとも有名なのが「オットー・リリエンタール」という人
この人の精細な飛行記録は、後にライト兄弟も大いに参考にしました

彼はその生涯で2000回もの飛行経験を持ち
彼の最長飛行距離は、その後しばらく破られることはありませんでした

そして彼の死後、ライト兄弟の成功により
人類は本格的に空への一歩を踏み出すことになるのです・・・・・

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