永らくの勘違い

日々之平穏
外の景色は秋深き、といった感じです

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え~、ですが今日は
写真とは全然関係の無い話をお一ついかがでせう?

独壇場

意味:その人だけが思うままに活躍できる場所。ひとり舞台。(福武国語辞典:初版より)

みなさん、この言葉はご存知ですよね?
ところが、辞典で調べたこの意味の後ろには驚愕の事実が書かれていました。

「どくだんじょう」は誤読・誤用から慣用になった語

元々は、

独擅場[どくせんじょう]

というのが正しい語で、を間違えたものがそのまま定着してしまったのだとか。
・・・・30年以上生きてて、今日まで知りませんでした(^^;)

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そういえば、「有言実行」というのも、
元々は「不言実行」というのが正しい日本語で、
これを捩って使ったものがそのまま定着した例ですね。

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さて、内容はちょっと違いますが
これも勘違いが招いた出来事です。
ですがその真実、私は最近になって知りました。
意外と知らない人多いのではないのでしょうか?
それとも、私だけ??

「ベルリンの壁崩壊」

この歴史的出来事を知らない人はいないでしょうが
じつは、これはある勘違いが招いたことだったらしいのです。

時は1989年の11月、
東ドイツ政府は東独国民に対しての「旅行ビザ取得の条件の緩和」をする
法案を承認し、それに関する発表を夕方のニュースで行うことになっていました。
ところが、党のスポークスマンは、この新旅行法の内容をよく理解しておらず(^^;)
記者会見でカメラに向かって「東ドイツ国民は自由な出国が認められる」
発表しちゃったのです。

「えぇっ!?」

当然、記者達は全員驚きました。

「それってどーゆうこと?」
「だれでもどこからでも自由に出国できるってこと?」

という質問に対して、

「そういうことです」
続けて質問
「それっていつから?、法律はどの時点で発効するの?」
と、そこでスポークスマン氏、手持ちの資料には特に日付が見当たらないので
「今から直ちに発効するものと私は理解しております」

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ざんねんながら、収録ではなく生放送だったものだから、さあ大変

ニュースを見た人、うわさを聞きつけた人、
東ドイツの皆一堂にベルリンの壁へ集まってきました

困ったのは国境警備隊の人たち
当然ながら、誤報のためそのような指示は受けておらず
また、ニュースも見てなかったのでゲートは閉じたまま

しかし集まった群衆は数万人を越え、開けろ!開けろ!の大合唱
さらに、騒ぎを聞きつけた西ドイツの人々も集まってきて
ゲートの周りはもはや収拾がつかない状態になってしまいました

・・・・・折悪く、同じ1989年の6月には天安門事件があったため
武力鎮圧による流血事には絶対にできないとの判断もあり、
膨れ上がった群集のプレッシャーに耐えかねた現場の判断によって
ついにゲートは開かれてしまったのです・・・(^^;)

もちろん誤報ですし、誤報でなかったとしても
東西ドイツは別々の国なので、出入国チェックは必要なのですが
もはや、そんなことを気にする人はひとりもおらず(おそろしや、集団心理(^^;))
東西国民が入り乱れての大騒ぎ、

そのうち誰かが、つるはしやらバールやらで壁を壊すパフォーマンスを始めたりして
(もちろん、壁は東ドイツ政府の所有物なので勝手に壊してはいけません
 けどやっぱり気にする人無し)
結局数日後には、なし崩し的に東独政府によって正式に壁の撤去が始まりました

う~ん・・・・・、
勘違いによる言い間違いで、国が合併しちゃうんですねぇ(^^;)

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さて、これは後日談ですが、
東西統一でめでたしめでたし、
・・・・・・とは、ならなかったんですね、これが。

もともと東ドイツは共産圏の国、
つまり、西に比べてとても貧しいのです
おとぎ話にある「王子さまとシンデレラ」の結婚を
リアルに考えた場合と似ています
・・・・たぶんその後の生活はうまくいかなかったでしょう、残念ながら

生活水準が天と地ほどの差がある二人が一緒になって
うまくいくかというとこれはなかなか難しい問題
事実、東西統一後のドイツでは、
併合前に戻したほうがいいのでは?という意見が結構多いそうです

旧東ドイツ圏の生活水準向上のためには
税金がかかりすぎるのが主な理由で、
旧東国民にしてみればそれでも埋まらない格差、
旧西国民には新たな増税・・・・

テレビで見た、ハッピーエンド的なイメージとは
程遠い、現実の問題というのはあるものなのですねぇ m(_ _)m

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ちょっとつまらない話だったので
小咄をひとつ

ドイツに行くとお土産物屋さんで
「ベルリンの壁のかけら」が売られたりしているそうです
が、ほとんどが偽物なので買わないほうがいいでしょう

もし、もし仮に本物だとしたら・・・・やっぱり買わないほうがいいと思います
ベルリンの壁の材料には、大量のアスベストが使われていたそうですょ(^^;)

2 人のご厚意をいただきました