週末の憩い

楽しい時間もいつか終わりが訪れます
寂しいなぁ、そう思っているのは私だけではなかったみたい
たくさんの人に惜しまれながら、終わってしまったもの

ちょっと、時期を逸してしまった気もしますが
今日のお話は、3月末で最終回を迎えてしまった番組のお話

土曜日の夕方5時、仕事終わりの時間に流れるラジオ番組
『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー』

シェーカーを振る音、
客のざわめき
流れるジャズ・・・
そして、いつもの変わらない
『常連』達の日常会話

舞台となるお店が『実在する』という設定だけあって
背景描写や劇中の効果音、そして魅力あふれる人物など
まるで本当にお店でくつろいでいるような雰囲気を味わえる
素敵な番組でした

自営業であり、普段から曜日感覚の乏しい私に、
今日が週末であることを思い出させ、ひと時の休息と安らぎを与えてくれる
かけがえのないものでした

夏になると、番組の開始に合わせて缶ビールを開けて、
『教授』と一緒にカウンターで飲んでいる雰囲気を味わったりしたものです

実際、この番組がきっかけでお酒について興味を持ったり
Barに足を運ぶようになったりしたもので
週末はAVANTIで一杯、というのは私の(妄想とはいえ)生活の一部になっていました
調べたところ、この番組は21年もの長きにわたる歴史があるそうで・・・

正直、最終回というのは唐突でした
バーテンダーのスタンさん(グレゴリー・スターさん)が引退するということを
聞いたときには、ココロが波立つものを感じました
それでも、後任のバーテンダーが紹介され
『いつもどおり』にまた来週があると思っていただけに・・・

寂しいですねぇ、実に

最終回の放送は、いつもと全く変わらない『日常会話』が流れていました
カッコいいですね、いつもどおりに終われるなんて
なるほど、
私は寂しくてちょっと納得いかない終わり方でしたけど
巷ではそれぞれのリスナーさんがそれぞれの受け止め方をしてらっしゃって
これはこれで、
ある意味、最高の終わり方なのかな、と

名作や大作と呼ばれるものは、
時々、本人や当事者とは関係ないものの意図や都合で、
強引に延命されたり続編が作られたりすることも、ままあることで
終わるべきときに終われるって、幸せなことなのかもしれないです

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ラジオ番組というのは、
現代の社会の中にあって、時勢に流されにくい
ちょっと不思議なメディアのような気がします

ずっと昔に聞いていた番組が、
10年以上ブランクがあって、ふとしたときに耳にする機会があって
「ああ、まだ続いてたんだー」
と、懐かしさを感じてまた聞き始めたりすることがあったりして

いろんなもののサイクルが早くなってしまった今
ふと、思い出したときに、
いつでも帰れる場所、みたいな
そんな存在のような気がします

AVANTIはわたしにとって、正にそんな場所でした
週末の夕方・・・
ぽっかりと空いたわたしのココロの隙間を埋めてくれるものは
当分見つからないのかもしれないなぁ・・・

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